2017年頃より、食パンブームが到来しました。今思えば、子供のころ隣のお店がパン屋さんでしたから、朝の六時には出来立てのパンが買え、朝食はパンでした。そして、当時学校給食の主食がパン食になり、パン食の普及も進み、今日では朝食のパン派は56%を占めているそうです。つまり、ご飯にお味噌汁と漬け物文化が弱まり始めていたのです。そんな中、その年の大分のカウンセリングから戻った子供より、積先生からの宿題が届きました。それは、パンの酵母菌を作る事でした。味噌作りと同じで、菌の世界のことなので、研究をするようにとのことでした。考えてみますと、一日の始まりがパンであるなら、味噌と同じ菌の世界ですから、聖別された光を宿した酵母菌のパンは今の食文化には必須であるとなります。ということで、種起こしが始まりました。菌の世界とはいえ、パンには関心が無く、知識もないためパン作りの教書本を求め、ぺージごとの写真を手本にしながらスタートしました。
材料は小麦粉と水の至ってシンプルな二点を用意。
このシンプルさは、麹作りとも同じです。
次に、合わせた小麦粉と水を手ごねで数百回です。
⇒ねかせる。(温度管理)
⇒翌日、種を観察、調整へ。
⇒ここでも、手ごね数百回
⇒ねかせる
⇒翌日、・・・・の繰り返しを6日間繰り返します。
更に、手ごね回数の少ないコースを3日間。
最後、種に表情が出ない場合は更に数日繰り返します。
また、カビ臭さや不快な臭いの場合は、最初からやり直します。
何と麹作りよりも日数がかかり、材料の計量も正確を要します。ふと思ったのですが、昔々はどのようにしていたのでしょう。文献を探すと、15000年前からパンは存在しているとのことでした。疑問に思ったのが、昔の人は温度管理や日々の管理をどうしていたのだろうということです。移動する民はこの種を持ち歩き、パンを作っていたのではないかと考えるようになりました。そこで、出かける事が多いときは持ち歩き、出先でこねたりしてみました。また、温度管理は懐や一緒に布団で休むという、生活の中にあるもので過ごしてみました。そうするうちに、何とも言えない気持ちが芽生えてきました。それがやがて、愛おしく思えるようになったのです。従来の教書本の通りに雑菌を気にすることを主体とせず、心や言葉の清浄を保ち、種に接していたある日のこと、パンに縁の深い方が現れて、「疑念を持たずに、そのまま進みなさい。」との助言をいただきました。つまり、この方法で出来るのかな?と迷いを入れない事でした。自分が考えたことを、まずは実行してみるということです。その助言を下さった方は、イエス様でした。