お人好しな日本人とマネー
金融資本家達は自分達でシナリオを描き、メディアを使ってそのプロパガンダを拡散します。そしてその虚構を民衆に信じ込ませることで、実際に行動を起こさせ、さらに思い通りの方へ向かうように、あらゆる手段を用いて人々を誘導するのです。
そして実際に手を動かして働くのは彼らではありません。彼らは戦争に大金を注ぎ込みますが、そのマネーで軍需品を作るのは労働者ですし、その武器を手に戦うのは現地の兵隊さんです。金融資本家はお金を出してシナリオを描くだけであって、後は高みの見物です。そして、これらの仕組みの中で犠牲になった人々に対する罪悪感はきっと皆無なのでしょう。こうやって闇のマネーは、さらに勢力を拡大していったのです。
ちなみに日本は莫大な借金をして日露戦争での勝利を納めましたが、その借金の返済をいつ終えたかご存じでしょうか?1905年締結の日露講和条約(ポーツマス条約)では、賠償金に関する規定がなかったため、日本は戦争に勝ったにも関わらず、ロシアから賠償金を取ることが出来ませんでした。その結果、戦争時の借金は全て日本政府が返済することとなり、返済を終了したのはつい最近の1986年です。大東亜戦争での敗北を間に挟んで、八十年という長い年月をかけて当時の借金の返済を終えたのです。当時の事情は知りませんが、ポーツマス条約の時にもう少しどうにかならなかったのか、と思います。だからこそ「日本以外の世界の国は邪悪なのだ」という現実を、日本人一人一人がきちんと認識することがとても大切なのだと思います。
そうして、歴史は繰り返されます。大東亜戦争では、一部の日本人達をうまく動かすことで真珠湾攻撃を実行させ、それまで戦争に参入する気がなかったアメリカ人の民意を参戦へと導きました。そして戦後の日本の教育に手を加えることで、「あの戦争は日本人が悪かったのだ。」と多くの人々に信じ込ませました。敵ながらお見事!とも言えますが、その一方で、日本人はどこまでお人好しなんだろう、と情けなくなってしまいます。そして今の首相は、戦後八十年が過ぎようとしている今になっても、喜んでアメリカ様の言いなりになっています。折角、故安倍晋三元首相が「戦後レジームからの脱却」を目指して孤高奮闘されていたのに、すっかり後戻りしてしまった、といいますか、「戦後レジームの促進」を始めてしまったようにさえ見えます。