台所から宇宙へ5

味噌を作り続ける中、精神学協会へ縁ができました。協会においては、自習のプログラムと更に精神学の各種の養成講座により、SBMやマツリヌシの資格習得へと時が進みました。その中において物質を聖別することを、水と油で学びました。お手本は、会長の積先生が聖別された水と油です。そして、上との契約でもあり、何度も聖別の祈りを試み曲がりなりにも合格点をいただくと、今度は麹菌への聖別を試みました。

ここで、少し麹菌のことを書きます。日本ではよく、桜を国花や雉を国鳥として認定されていますが、麹菌も2006年国菌として(アスペルギルス・オリゼ:カビの一種)認定をされています。この国の風土に根付き、和食には欠かせない醤油、味噌、日本酒、味醂、酢などの製造には、全て「麹」から始まります。つまり、和食の味のベースを支える調味料類は麹菌の働きにより作り出されています。

そのコウジカビの構造は、栄養菌糸体から分生子柄が分枝し立ち上がり、その分枝を繰り返した枝の先端に頂のうを経てフィアライドという細胞があり、その先に分生子(胞子)が数珠状に連なって、胞子の数は時間経過と共に新胞子が増加します。次から次へと胞子が押し出されて、先端の胞子は古いものとなります。この麹菌の要素は、日本人の特徴である働き者の国柄が思われてなりません。人間の一生と同じで、後に続く者へ、先頭を走る先人として、よく働き、他を思いやり、役に立ち続ける姿が、国柄を作っているように思えます。

さて、聖別を試みた麹菌を観察しますと、分生子(胞子)の発する光の量が今までとは違うのです。そして、先端の古い胞子も衰えることなく輝き続けています。やがて、この麹菌で仕込まれた味噌の誕生で、更に個々の仕込まれた味噌が活躍を始めました。それは時間と共に、子どもたちの味覚が整い始めました。例えば、味噌の熟成度の高い方が美味しいと感じ取るようになりました。またある教室では、思うように子育てがゆかないという理由で、子どもの為に仕込んだ味噌での味噌汁で、気が付いたらママさん自身が一番癒されて、子どもを冷静に見れるようになり、子どもに怒らなくなったと涙ながらに言われたのには、こちらも胸が熱くなりました。

更に、味噌だけだけなく食材への聖別においても、料理教室の子どもたちの変化は味付けのむらが減り、教室内でのざわざわ感も減り始めました。つまり、個々の問題から更に全体への影響が見受けられるようになりました。上記の麴菌の胞子の状態から考察をするに、光あるものは良い方向へと導いてくれることです。人間の意識だけでなく、光あるものつまり光を宿したものは良い方向へと導いてくれるという事です。この聖別の光というのは、菌も食材も物も知覚つまり聖なる光を受信していることになります。そして、麹菌のように更なる胞子を生み出す仕組みが、次は聖別の光によって更なる生命の誕生が始まりました。