台所から宇宙へ4

人間がエネルギーをキャッチし情報が得れるのであれば、その反対も然りです。つまり、人間の身体はエネルギーを吸収できますが、排出も可能という事です。それに情報が乗るのであれば、送受信システムを人間は保有しているという事になります。人間と物との関わりにおいて、よく醸造所ではお酒に音楽を聞かせていると言います。そこで、味噌も同じことが言えるのです。

それは子供さんが味噌を仕込み家に持ち帰る折、宿題を出します。持ち帰った味噌を自分の勉強机の上やリビングの机へ置き、その味噌へ毎日挨拶をするという宿題をだします。子どもというのは自分の仕込んだ味噌を家族に見てもらいたく、ほとんどの子どもさんはリビングへ置きます。また、マンションなどの玄関は北側にある為涼しく、玄関棚に味噌は鎮座し出入り時に、家族みんなが挨拶をするご家庭もありました。家族みんなで必ず声掛けをするというルールを決めて実行をした結果、通常より熟成が早くなり溜まり醤油みたいな液体が出て、誠に美味しい味噌になりました。

また、こんなこともありました。あるお母さまから連絡があり、味噌の様子がおかしいとのこと。つまり、カビらしきものと判別がつかないので、一応気になる部分を取り除き様子を見てもらうことにしました。その折、子どもさんの様子を聞きました所、「味噌には毎日ピアノの練習の音を聞かせています。」と言われ、更に練習は怠る事が無いようにお母さまが監督をしているとのことでした。そのお母さまに尋ねたところ、声掛けは子どもに任せているので子供さん以外は声かけをしていないことが判明。そこで、ピアノの音よりも人の気持ちが入った多くの言葉かけの方がより美味しい味噌へなる事をお話しして、ご家族での声掛けをお願いして終わりました。その後、その子供さんの味噌は大きな変化もなく、一年後に連絡を下さった時は、ご主人が美味しい味噌に感激をして、子供さんへ味噌を作り続けて欲しいと希望されたそうです。お母さまの声も穏やかになっておりました。

こうして、味噌の例をあげましたが、麹と大豆と塩が材料ですが、気持ちを込め作られた味噌へ更に人間の言葉かけにより、応えてくれる存在があるという事になります。人間の発した言葉を、味噌は受信しているといってよいでしょう。また、音楽を聴かせた例として、依頼主の希望で水琴窟のCDが届きました。作る時から熟成期間において時々CDをかけ時を待ちました。一年後開封をしてみますと、なんとトロトロの状態になっており味見をしますと酸味がありがっかりしたことがあります。そこで、味噌樽を抱きながら会話を試みますと、どうも土壌の中の音の響きは嫌いだったようです。やはり、気持ち良い言葉なり心地よい音楽は、それにより応えてくれる法則がある事が分かりました。子育てと同じで、良い言葉やポジテッブな言葉は、元気をもらい気持ちも安定をしているので、伸び伸びと育つの同じように味噌もその法則が通用するのです。味噌に耳や目はありませんが、発信をしている言葉や音楽の音波(振動)が影響をすることになります。日々、この人や物の発する振動は、この空間にどれだけ行き来していることでしょう。人間が意識をして発する言葉の音波の影響を経験しましたが、音波として発しなくても、思うだけでも影響する世界があるようです。家族の会話や思考を日々キャッチしている味噌は、やがてそのお家の手前味噌になります。それは一年後に、味噌を持ち寄りみんなで味見をしますと、みんなそれぞれ違う味噌に仕上がっているからです。いかにお家の環境(場・空間・人)が影響をしているかです。