~私はこの出会いにより自分を縛るものを知る~
高田弘子さんとの出会いをきっかけに、自分を棺桶のようにきつく囲む世界から脱却をする、旅が始まった・・・
「雲ひとつない真っ青な空、この空の色を覚えていてください。忘れないでくださいね」
そう高田弘子さんは言った。「交信法」と名付けた退行催眠のような手法を高田さんより受けている最中の言葉である。どんより曇っていた私の心に光が差してきて、生きる希望を取り戻していった頃のはなしである。結婚当初、家庭と仕事の両立に心身ともに疲れ、うつ病の治療を受けている時だった。その青い空の色、そして高田さんの言った言葉。32年の月日が流れた今も、はっきりと覚えている。私の話を軽んじることなく最後まで聞いてくれた高田弘子さん。どうして良いか分からず、さまよっていたあの頃の私は生きる力を取り戻していった。