現実は漫画や小説より奇なり 12

現実は、小説より奇なり

作家の森 絵都さんの著書に「カザアナ」という作品があります。こちらの作品は 2019 年 7 月 5 日に朝日新聞出版から発売されたものです。 

舞台は、日本文化を推奨することで観光立国として外国人観光客を積極的に受け入れようという政策のもと、海外の文化を徹底的に排除し、監視ドローンが飛び交う統制社会の日本です。そんな息苦しい日本で生きる一家が、自然と対話ができる特殊能力を有した「カザアナ」達と出会い、少しずつ変わっていく、という内容のお話です。カザアナたちが有する能力は一人一人異なり、あるものは石と語らい、あるものは虫たちと語らいます。私が今まで精神学を通して学んできたことは、人間はこのような能力を普通に有している、ということなのです。 

そして、物語に描かれてる厳しい統制下に置かれた社会というものは、正にコロナ禍の世界を彷彿とさせるものでした。その作品が、コロナ禍が始まる前の 2019 年に既に出版されているのです。日本人が有するインスピレーションには驚かされます。