第3章 No.24 大学を辞めた最後の日

私はこの大学では年度途中から三年間の任期制で働いていたので、大学を辞める日も、年度途中となりました。前年度の補助事業の報告書は提出していましたが、その後の「額の確定調査」には参加することが出来ませんでした。ですが、辞める日当日までに確定調査用の書類をできるだけ完璧に揃えました。もちろん、経理課の書類も抜き出して、部署ごとにファイリングしました。書類に不備がないように、最終日は終電近くまで書類内容を確認し、後任者にデータが入った USB を託してその大学を後にしました。

そして電車に乗りました。そうしましたら、途中の駅で電車が止まりました。どうも一つ先の駅で人身事故があったそうでした。ちがう路線で一つ先まで進めば、ひょっとして別路線で家に帰れるかもしれない、と考えた私は先へと進んだのですが、結局、動いているのは人身事故があった路線だけだったので、すごすごと、その路線のホームへと戻ってきました。そうしましたら、人身事故は死亡事故だったらしく、ブルーシートで囲まれた中で駅員さん達が作業している、まさにその近くのホームに出てしまいました。そして、その後一時間位して電車は動き出しました。

まさに、とほほ、な最終日でした。やはり、私にとって、この時携わった補助事業は、呪われた補助事業であったように思います。

第3章、完。