第3章 No.23 変わった指摘事項の一例

私には直接関係するものではありませんでしたが、補助金の使い方について驚くような内容の指摘が入ったことがあった、と人伝に聞きました。ある部署で、同じ高額機器を二台購入したそうです。その高額機器を購入するために用いた補助金は、違う省庁から出ているものでした。例えば、一台は文部科学省、一台は厚生労働省から出た補助金で購入したものだったとしましょう。それを同じ部屋に設置していました。そうしましたら、調査の際に、「違う省庁の補助金で購入した機械を同じ部屋に設置するのはおかしい。」との指摘が入ったそうなんです。そこでとられた対策は、一つの実験室にドアを二つ設置して、部屋の真ん中に棚などを設置することで、二台の高額機器を仕切る、というものでした。馬鹿らしいと思いませんか?まるで、日本の縦割り省庁の現状を象徴するような出来事です。

その後、私は実際にその部屋の様子を目にする機会がありました。そこには、確かに耳にした通りの光景が広がっていました。

とは言うものの、当時 H さんから「省庁を越えて、共同で国のお金を使える仕組みを作りましょう、という動きがある。」と伺っていたので、今では改善されているかもしれません。