第2章 No.2 物語のはじまり

I 先生にアポをとって話をすることになった当日、身体が発熱しているように、とても熱くなりました。季節は 5 月です。当時勤務していた研究所には、低温室という、6  畳位の広さの 4 ℃に保たれた部屋がありました。大きい冷蔵庫のような部屋です。とても暑かったので、しばらく低温室で身体を冷やしました。

きっとこの時、何かのスイッチが入ったのだと思います。

この時私がとった行動は、自分の立場をわきまえないものであったことは十分承知しています。ですが、そうすることでそれ以上トラブルが大きくなるのを防ぐことが出来る、と考えて行動しました。「そこまでするか」と感じる方がほとんどだと思いますが、見て見ぬふりはしたくありません(面倒くさそうな奴、と思う方は、近づかない方が無難です)。

この一件は私的にはここで一段落しました。K さんは結局辞職されてしまいましたが、その後普通に人生を歩んでおられるようです。が、私は、それから更なる事件に巻き込まれていくことになりました。