第3章 No.21 国の調査を経験して思ったこと

政府の予算を活用した事業を行う以上は、きちんとした計画と報告は必須事項だとは思います。しかし、私がその補助事業に関わった、たった三年間だけ見ても、政府の締め付けがどんどん強くなっていきました。私が思い描く、理想的な関係は、国がお金を補助することで、大学側ができることが広がり、より良い大学運営を行うことができ、その結果、国全体の研究レベルや産業の発展にも繋がっていく、というものです。

ただし、現在の文部科学省と大学の関係は「国が補助金を使って大学運営を助けてあげているのだから、大学は黙って国のいうことに従え。」という上下関係にあるように感じます。おそらく数少ないトップクラスの大学のみに、「発言権がある」状況にあるように思います。

「額の確定調査」も、補助金が適正に利用されているかの確認にすぎないはずなのですが、一部の方々は、まるで「大学側の粗探しをすることが仕事だ。」と勘違いされているように感じました。

ちなみに、確定調査当日と再調査の日に、M さんではない二人の経理の調査員が「来年の調査も宜しくお願いします。」と帰り際に声をかけてくださいました。