第3章 No.10 増え続ける要求

そして、平成26年度になって、文部科学省の現場担当者が H 氏に変わりました。同時にその補助事業を統括するトップの方も変わったようで、より厳しい調査が求められるようになりました。

具体的には、経理関係の書類の確認がより厳格に行われるようになりました。ここの共用施設では、金銭面、つまり経理面では三つの部署が関係していました。一つは私が所属していたセンターで、ここでは利用者の機器利用記録を管理し、業務上必要な消耗品購入業務を担当していました。次に研究支援センターという、研究者や技術者を事務的に支援してくれる部署があり、ここでは機器利用記録を元に施設利用料の請求書を発行していました。そして、経理課では、お金の出納業務を担当していました。

前年度までは、エクセル表で全体の収支を示して、調査時にはセンターで保管している利用記録書と物品発注・納品時の書類の原本を確認してもらい、そこからいくつかピックアップした書類について、他の部署で保管されている書類と照合する、という方法がとられていたようです。ところが平成26年になって、2013(平成25)年度の報告書から、経理課に保管されている出納関連の書類まで全ての原本の確認が要求されるようになりました。