当時、私は実験動物研究施設で働いていました。そこでは定期的に微生物モニタリングを行い、感染症が生じた際には、いち早く対処出来る体制をとっていました。
そして 2006 年 6 月の定期検査で実験動物から病原菌が検出されました。3週間程の調査の結果、その病原菌がどこから入り込んだものなのか、突き止めることができました。その原因は人為的なものでした。
その調査を行ったのは私を含めた数人のスタッフです。同僚の一人が休職した直後に、自分達と関わりがある誰かを犯人として疑わなくてはならない状況は、精神的にかなりきついもので、夜眠れなくなったこともありました。