第2章 No.13 それでも、頭の中で、声は話し続ける

再就職した職場では、現場の人々からの風当たりはとても強いものでした。仕事的には単純作業の現場です。単純作業ではありますが、失敗が許されない、厳しい現場でもありました。なので、勤務する方々のストレスや緊張感もとても強いものだったのでしょう。職場の雰囲気もギスギスしたものでした。

ただ、現場のナンバー1、2となる中心人物が適任者だったため、その職場は比較的きちんと機能しているように、私には感じられました。おそらく、その会社は人事が優れている会社だったのだと思います。そのような職場に恵まれたことに感謝します。

そして多分この職場では、人々を意地悪な方向に扇動する「裏のボス」的人物がいたのだと、私は今でも考えています。嫌がらせをする人々はいましたが、徐々に、仕事を教えてくれる方々も現れ始めました。

しかし、この職場でも、私の頭の中の声は、私のことを批判し続けました。そして、聞こえてくるその声が、現実のものなのか、私の幻聴なのかを区別することはできませんでした。なので、表面的には何もないように振る舞いながら、淡々と仕事を続けました。