第2章 No.11 霊障

仕事を辞めてからは何もやる気が起きず、私は怠惰な生活を送っていました。働いていた頃は、頭の中では色々な物事について常に思考し続けていました。その思考系が止まりました。その結果、頭の中に何者かが入り込む隙を与えてしまったのだと思います。ある時期から、頭の中で誰かの声が聞こえ始めました。

最初は、周囲にいる誰かが実際に話しているのだと思って、私は大変な恐怖心に襲われました。その声が語るのは、私の個人情報や私が考えていること、私を小馬鹿にするような内容です。ノイローゼ寸前までいきかけて、SBM(シンロジカル・ボディ・メソッド)に助けてもらったこともありました。多分、その頃、私は恐怖の絶頂にいて、幻覚もみていたようです。

当時、私は精神学を学び始めてから数年が経っていました。なので、「頭の中で、自分ではない何者かの声が話すことがある」ことも十分理解はしていました。理解はしていても、実際に経験してみると、それは恐怖体験以外の何ものでもありませんでした。