東京浄化前線〜皇居を暗黒ドーナツから解き放て【6】

「あ、道間違えた!」
「神保町行き!?」

 

四ツ谷のカフェが目的地なのに、違う方向に行ってしまったらしい。なんとか軌道修正をせねば、とあわあわしつつ道路を走る。
私達が乗っている車は神保町を通り抜けて、しばらく走っていたら、右手に靖国神社が見えてきた。九段下へやってきていたようだ。

 

「あれ、靖国神社に着いちゃった」
「ホントだ」

 

4月にお参りしたんですよねー、とか信号待ちの間に言っていたら、鳥居の近くを通った瞬間、ふわっと御神気が吹いてきて、頭の中の闇がスッキリと吹き払われたような感覚になった。

 

「あ! 闇が抜けた!?」
「私もだ! 祓ってもらえたんだ!」

 

「「ありがとうございまーす!」」と通りすがりながらお礼を言いつつ、通過。

 

「さっき道を間違えたの、靖国神社においでってことだったのかな?」
「そうみたいですね。すっごく楽になりました…助かった…」

 

頭の重さが残っていたのが一気に抜けて、ホッとする。

 

ダッシュボードにセットされていたiPhoneのGoogleナビの活躍により、なんとか軌道修正して、東京都心をドライブする私とお姉さん。最近はナビを買わなくても、スマートフォンがあればなんとかなる時代らしい。充電は必要だけどね!

 

いろいろと道路を走っていて、気がついたことが一つ。

 

谷間や窪地など、低いところや暗いところ、影になりやすいところには闇が溜まりやすいようだ。

 

「ぎゃ…ここ、めちゃくちゃ重たいです…」

 

また別の道路では、

 

「なんか、真っ黒な人影が道端をクラウチングスタートして走っていってる汗」
「うそ、そんなのいるの…そういえばここ、国立競技場の近くだよ」
「Σ幽霊もオリンピック!?」

 

全力疾走していたよ…。カオスすぎる。

 

「東京浄化ツアーみたいになっちゃったねー。お疲れ様です」
「いえいえ…こちらこそ足をお願いしてしまって。お世話になります」

 

前々からうっすら思っていたんだけど、私、便利な移動式ダ○ソンの扱いをされているのでは。浄化力が放っておけば再生する空気清浄機…いや、それはシ○ープ…。

 

結局四ツ谷のカフェは空いておらず、明治神宮外苑のレストランで昼食兼休憩。その後、神奈川県寄りのお姉さん行きつけの食堂でカフェラテなどを飲んだり、大好きなクロワッサンを買ったり、豊洲でお茶漬けを一緒に食べたりして、東京での土曜日は過ぎていった。

 

…が。あくまかんさつにっきは精神世界のダークサイド見聞録。東京編、語りたいことはもう少しだけ続くのです…。