〈プロローグ的モノローグ〉4

そのことが、母親にとってはショックだったのか、面白がっていたのか、この小学一年の通信簿を大切に取っていたので、中学生ぐらいの時に見せられました。そこには、教師のコメントとして、「授業中、窓の外を見ていることが多いようです」だったかな、そんな風な子だったことだけは憶えています。当然、学校は好きではなく、集団行動も苦手、朝礼なんかではしょっちゅう、貧血で倒れる、まあ、そんな子供でした。

学校へ行く前になると、頭痛を起こし、休んでもいいといわれると、午後ぐらいになると、元気になり、一人遊びをしているので、家族からは、仮病を疑われていたのです。ただ、当人は頭痛になると吐き気もひどくなり、顔も青白くなるという、現象に、自分は病気だと信じていたりします。それを心配した、父親が東大病院に行かせて、いろいろテストされて出た結果は、自律神経失調症。当人にとって嫌なことをやらされると、発症するらしい、と家族は理解したようですが、小児ガンのような病気ではないと安心したようです。それで、当人は、たぶん自分は大人になるまでに死んでしまうのだろうと思っていたのです。カワイイもんです。

(つづく…)

二千二十二年 六月十日 積哲夫 記