<第二章>その四

第二章 意識は波動ということ

その四)人間意識の謎

この宇宙には、意識エネルギーが満ちているというのが、精神学が到達している立場です。ところが、人間はこれまで、そうした知識を持たないまま、今日まで、来ています。例外的に、日本列島では、イワクラや御神木という意識体の存在を知る文明が育っていましたが、西洋文明至上主義の近現代史において、その記憶は無視されてきたのです。つまり、西洋文明による人間意識というものが、多くの人間に共有された結果、いまの人間は自分達以外の意識体とコンタクトする能力を失ったのです。これが、多分、一神教というものが地球にもたらした意識体のテーマというか、限界なのです。聖書の旧約の神が、自らを妬むものである、と宣言していることでわかるように、その神をルーツとする人間意識の根底には、妬むもの、という底意地の悪い思いや行動に人間を駆り立てる何かが、隠れていると考えればいいのです。この内なる闇に向き合うのが、人間が、人間として生まれている理由なのです。これを、克服した人間の意識は、その他の意識との交流チャンネルを持つようになっています。それが、本来の地球の生命から生まれた意識の方向性だと考えれば、いまある地球の文明は、その方向性を阻止したい何らかのエネルギー的な干渉を受けていると考えるべきだというところに到るはずです。そこに人間意識の謎があります。

(つづく…)

二千二十二年 十月二十八日 積哲夫 記