日本の神話にも、天上というか、神界で罪を犯した神の物語はあります。スサノヲですが、その男神は天を追放され地上の人間の娘を妻とし、そこで生まれた女子が、地上の男の妻になることを許し、豊かなクニがその王権によってつくられます。この地上のクニを、天のアマテラスが、自分の子孫がシラスべきところとして、天の使いが、そのアシハラナカツクニに来て、国譲りを迫り、それが実現していまの国体が生まれます。この話の中でスサノヲという天の罪人は、地上では、良き国父なのです。日本の神界のストーリーでいうと、スサノヲならば、地上の人間の悪を、理解し処理できるだろうと期待したようなのですが、スサノヲは、日本列島に降りた神でした。海の向こうの、人間の悪を学ぶ旅には出た、または出されたようなのですが、結果は神界の期待を裏切るものでした。この辺の事情をよく伝えているのが、戦前の日本で大きな運動を起こした大本教の出口王仁三郎の活動といえます。そのスサノヲも、いまは日本列島に帰ってきて、神々が知らぬ人間界の悪の正体を、知りたいものには伝えられる用意をしています。その意味で、まだ役割は終わっていません。
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精神学協会会長のひとりごと。