冷たい魚を捌こうと手を添えると、腸に向かってキューっともよおしたくなるような刺激が伝わります。手の平が冷えると腹も冷えるのです。手には大腸経の経絡も流れてきているので解りやすい反応でもあります。
また、腸には歩くことでも刺激が伝わり活性化されます。重たい荷物を背負って2日ほど山を登り降りすると、平地では見たこともないような立派な作品が排出されます。腸に良い刺激を送ることはとても大切なことなのです。
鍼灸においては、舌診でまずお腹の代謝の状態などを確認します。血液は心臓ポンプによって全身に巡らされますが、腹の臓器は第二のポンプとなり、重要な働きをしていると思います。
外敵に打ち勝つための免疫力を生み出す腸内環境を調えるには、一定の体温や刺激が必要です。善玉菌、悪玉菌ということばを耳にしますが、腸内環境によって、生息する微生物の種類が異なります。億年単位の地球の歴史の中で、灼熱、寒冷、日照、酸素濃度など、様々な環境変化がありました。清流や蓋をされたドブ川の流れの中に異なる生物が生息するように、環境によって棲み分けている微生物は、腸に大きく影響を及ぼしています。
わたしが自然に近い方法で野菜を作り始めてから10年が過ぎました。栗林を倒して道路工事の砂利混じりの残土を乗せた土地でしたが、枯葉、枯れ草をすき込むことで、黄色い土も今では黒い顆粒状になり、まともな大きさの玉ねぎも作れるようになりました。
長年野山や畑の土を観察しながら、わたしの中では人体の腸を重ね合わせて来ましたが、腸は体の原動力(モーター)かと思います。そして、内臓は常に温かくなければ適切な活動ができない事情があるのです。わたしの施術は、まずお腹の状態を調えるところから始めます。
へそ周りの灸や鍼も復元力がありよく使います。ここに来て、師のもとにイコンシール、波動シールという、未だかつて存在しなかった(既存の領域を超越した)アイテムがもたらされましたが、波動シール(腸)は私が待ち望んでいたタイプのモノで、鍼灸を超えた領域で身心のしくみに有効な調和を生み出すものになると期待しています。
みた やすよ