<第四章>その七

第四章 宇宙は神の揺籃ということ

その七)宇宙の経済学

この宇宙が、物語宇宙という、神の物語の舞台であるという立場で、人間の歴史を考察すると、一神教の神は、金利を否定しているのに、現実の人間史は、金利に支配されてきたという事実に目が向くはずです。この宇宙で物語が進行するためには、光と闇の対立が必要だったということです。現行の人間は、この光と闇の合体物で、それは人間が神とよぶ存在も同じなのです。つまり、神の内には悪魔の因子もあるということです。この内なる闇を解消して、光の存在に成長することが、神的意識体のテーマで、それは、人間も同様です。そして、その舞台となる物質宇宙の中で、人間が生きるための活動には経済というものが伴います。この経済活動の主体となるものの意識が、所有というものに向くというのは、それが、この物語宇宙の主要なテーマだということに気付くように、人間の歴史は作られてきたと理解すれば、宗教が人間に課したテーマは、宇宙規模のものだと気付くのです。人間が普通に考えれば、この地球上の土地や資源を、自分の所有物だという考え方は、人間を含めたすべてのものは、ひとつの神のものという、思い込みのようなものを根拠にしていることがわかるはずですが、この発想を受け入れるための学習期間が約二千年も続いたのです。たぶん、そこにこの宇宙の経済的メカニズムが働いています。

(つづく…)

二千二十三年 四月七日 積哲夫 記