<第四章>その十

第四章 宇宙は神の揺籃ということ

その十)宇宙の覚醒と人間意識

人間は、自分はどこから来て、どこへ行くのか、というテーマを考える存在です。それは、無機物から有機物の生命が発生し、その進化の先に自分は何者かを考え続ける人間という種が生じた結果なのです。つまり、生命は、このテーマを考えるために、この宇宙内に存在していることになります。その宇宙の中の物質として人間が知っているのは、約五パーセントに過ぎず、残りは見えない物質、ダークマターと呼ばれるものと、これも見えないダークエネルギーというものだとされています。その宇宙の中で、人間の意識活動も、エネルギーとして、存在し続けているはずだというのが、いまの科学の最先端の量子論の立場なのです。これらのことは、人間の精神活動が、生み出すエネルギーか、神や悪魔や人間霊などが、存在している場にあるものと、同様のものならば、この宇宙内には精神界が存在していることを示しています。すると、この宇宙の中には、人間の知らない意識のエネルギーが、大量に満ちていて、それらのエネルギーまたは質量が、ダークマターやダークエネルギーと呼ばれるものの中に含まれていると推測することが可能です。そして、人間と同じタイプの意識エネルギーの中に、神的意識体のものがあるとするならば、人間の意識の覚醒に伴なって、宇宙の神意識体も目覚めることが期待できます。人間が神の容器であるという神話は、その覚醒によって成就するのです。

(おわり)

二千二十三年 四月二十八日 積哲夫 記