<第二章>その一

第二章 意識は波動ということ

その一)たましいと意識

人間の精神活動というものは、いまのところの知識でいうなら、脳内の電気的な反応の結果ということになります。意識の座は脳でいいとしても、人間が心と呼ぶものの座は、普通の人間の直感としては、頭にではなく、胸にあるように感じているはずです。頭で考え、頭で思う、その時に電磁波を使っている訳ですから、思考とか感情とかは、波動ということもできます。人間が、深く悲しんだり、感動したり、という時に、胸のあたりからエネルギーが放出されていると感じるのは、胸のあたりに、そういうタイプの波動を出力するメカニズムが隠されているからと推測することが可能になります。また、人間が他人からの言葉のような波動的な影響で、つまり、ストレスというものを受けると、体温が変化したり、発汗や呼吸の乱れなどを生じるということもよく知られています。そういう視点で人間を見ると、人間というものの波動は全身から出力されているということになります。生物としての人間存在は、精神的な波動の出力器としての機能を持っていることになります。そして、自分ひとりだけが出力した、その波動エネルギーは、外部にも内部にも影響を与え、外に出たものは他人にも伝わり、内に向いたものは体内にある種の変化を生じさせることになります。

(つづく…)

二千二十二年 十月七日 積哲夫 記