2021.06.12 AM 10:15:
何度目か(たぶん訪問回数はまだ片手で数えられる程度)の東京駅の構造はなんとなく分かってきた。
八重洲口の南北を頭の中の地図とつきあわせながら、どうにか中央南口からてくてく歩き出して、タクシー乗り場を横目に降り場へ向かう。
緊急事態宣言が継続しているからか、東京駅前ですら人気が少なく感じる。常ならば尋常ではない量の人流が放出・流入し続けているはずだから。
お姉さんとも無事合流。ドイツ製だというコンパクトでかわいい車に乗せていただき、世間話をしつつ皇居周りへ向かう。…妙に風が強い。梅雨入り前、束の間に吹く夏の風という感じがする。すっかり夏の空だ。
精神世界に意識のピントをずらしてみると、東京はその辺を悪魔が飛び交いまくる街だった。
なんだこの都市、地獄かな?
大阪も負けてないぞ。(嫌な勝負だな)
車のフロントガラスや天井にべったり張り付いてくる悪魔を問答無用に切り捨てつつ、皇居の空を見上げると、真っ青な空を背景に、やっぱり深い黒紫色の巨大ドーナツみたいなものが皇居のお堀沿いあたりに丸く浮かんでいる。ドーナツの太さ、30メートル。直径は不明。
あ、ドーナツの種類はつるんと丸くてもちもち太いイーストドーナツだ。※どんなこだわりだ
なにあれ、黒雲? 暗雲? 紫の雷とかバチバチいってない? あの下行くの?
頭、とち狂ってる?
車はその下目掛けて突っ込んでいく。
気分はラピュタの竜の巣に果敢に飛び込む凧グライダー。
本能的に嫌な予感しかしない。めちゃくちゃ近寄りたくない…でも神さまからいただいたお仕事だから、がんばって行かなきゃ…。
どう回ればいいか?と聞くと、反時計回り、と指示が出る。
「反時計回りだそうです」
「やっぱりかー、そんな気がしてたんだ。オッケー、右回りで行くよ」
「…? それ、時計回りでは?」
「ハッ!? ホントだ!? Uターン…できない! 回り道しなきゃ。なんで今日こんなに警官の配置多いの!?」
「なんででしょうねー…」
ううむ、お姉さんも私もお互いに思考回路がなんか変な感じもする。すでにいろいろヤバそうな予感…。