植物と動物と土

野山を歩いていると、鳥の羽が散乱している場面に出会うことがあります。弱肉強食が昆虫や動物の基本ルール。植物は環境に適応しながら種や胞子、地下茎などを残していく仕組みが多いようです。
花に虫を引きよせたり、風や鳥の力を借りて種を遠くに運ぶようすも理にかなってますね。そして、そのほとんどが根を下ろした所で生涯を終えています。中でも、根っ子によって微生物との物質交換により栄養をたくわえ、免疫力を養うしくみは興味深いです。草木は晴れの日も嵐の日も根付いた土地で自然を受け入れています。目に見えないけれど、免疫力を蓄えバリアで害虫を寄せ付けないようにしている姿は健気です。

一方、人は哺乳類ですが、腸で微生物の力を借りて栄養や免疫力を獲得する方法は、根と土の関係とよく似ています。ミミズのような食道から肛門までの一本の管をひっくり返すと、根っ子と同じ関係になるのも面白いです。また、細胞には植物起源のミトコンドリアも組み込まれて、摂取した食物を分解する過程で活力となるエネルギーを生み出しています。

わたしの畑では農薬や肥料を使っていませんが、自然に近い形で作物を育てる中で、人の健康や子育てに関わる気づきに出逢うことがあります。調和を前提としているであろう自然界の中には、生きるヒントがたくさんあり『人は自然の一部なんだなあ。』といつも思います。

みた やすよ