世界史を、ひとつの継続する悪意という視点で見ると、はっきり分ることがあります。それは、戦争の歴史の背後には、常にマネーが存在するということです。日本が日露戦争に勝利するために必要なマネーを、どうやって集めたかといえば、ロシアに金を貸している国際金融資本家から、アメリカの仲間を紹介され、それが成功したに過ぎません。そして、日本は勝利するために、当時のロシア国内の反体制勢力に、対露工作で有名な明石大佐を通じて、莫大なマネーを供給します。そして、当時は七つの海を支配していた大英帝国の情報網も日本に協力します。シティというロンドンの金融業の集積地は、国家内の国家で、その意向が、植民地主義にはじまり、次の資本主義のもとでの中央銀行制度という現在の世界のマネーの秩序を形成してきました。19世紀末から20世紀の初頭にかけて、マネーによる世界支配を目指す人間グループの目の前にあった巨人は、ロシアのロマノフ王朝だったのです。たぶん、その打倒を目的につくられたのが、共産主義のイデオロギーで、それは第一次大戦後に成功します。しかし、その成功は日本を使ったロマノフ王朝弱体化という前段階があった結果なのだと考えるべきなのです。そこには一貫した目的と工作があります。