<第四章>その六

第四章 宇宙は神の揺籃ということ

その六)人間のマネーと宇宙

マネーというものは、神によって与えられたものではなく、人間の活動の中で生み出されたもの、と考えられるように歴史は作られてきました。精神学の立場では、いま人間が認識し、科学の対象としている物質宇宙は、神の光と闇の物語のステージであり、聖書の神は、金利の神とも呼べる闇の存在と戦い続けて、勝利したことになっています。この物語が進行するためには、マネーというものを支配しコントロールして、人間の歴史をも支配してきた存在は、金利の神のようなもの、ということになります。イエスの時代、エルサレムの神殿で、神の代理人として、神貨である木片を金銀などの人間界の貨幣と交換する仕事をしていた人間グループを、完全に敵に回す言動をした結果、イエスはエルサレムの民衆の意向で、十字架にかけられたのです。聖書の神は、金利を否定しますが、それは新約聖書の話だけなのでしょうか、という問いが、キリスト教の文明圏には長くあったといえるでしょう。つまり、旧約の神は金利の神かもしれないという問いです。この回答が、これから、人知の側に出るはずです。それは、たぶん、死海文書といわれる、イエスの前の時代に、遠い未来へ情報伝達をするために、大切な文書と思われるものを、壺に入れて封印し、隠した信仰者たちの行為の目的が、そこにあるからです。そこから、人間とマネーと神の関係が明らかになります。

(つづく…)

二千二十三年 三月三十一日 積哲夫 記