<第四章>その五

第四章 宇宙は神の揺籃ということ

その五)無神論の終わりと宇宙

科学というものは、一神教、さらにいうならその中のキリスト教という宗教が想定した神を、発見する、または証明するために、生まれたものでした。その科学が発展した結果として、どうやら、この宇宙には、宗教が想定した造物主のような存在は、いないらしいという認識が広がり、そこから、無神論は勢いを増すことになりました。それを助長したのが、科学という言葉を利用したマルクスの唯物論で、科学的発展の先にある共産主義社会という、人間が主役の無神論の宗教のようなものが生まれることになりました。その前にあった資本主義というイズム、その出発点はキリスト教の思想でしたが、ダーウィンの進化論という、当時、科学的とされた知識と出会うことで、マネーの世界も人間の世界も、弱肉強食というテーマで長い期間、動くことになってしまうのです。共産主義は、ソ連邦の実験の失敗で、一時、退潮したように見えますが、資本主義社会の背後にも、この共産主義的イデオロギーで、地球全体をコントロールできると信じる人間グループがいて、その動きは、いまも続いています。しかし、この宇宙は無神論で説明できる宇宙ではないことに、いまの最先端の科学は気付きつつあります。そのきっかけは素粒子というミクロの世界ですが、そこでは、人間の意識という人間がまだ正しくは知らないエネルギーの作用が認められたからでした。

(つづく…)

二千二十三年 三月二十四日 積哲夫 記