<第二章>その五

第二章 意識は波動ということ

その五)人間意識のルーツ

現行人類は、神と人間が呼ぶ存在の意識エネルギー体の、内部構造を、投影された意識のモトを持って、生まれているというのが、精神学を人知に伝えた側の情報です。つまり、人間がたましいと呼んでいるものは、圧縮された神の情報系なのであり、それを成長させ理解できるデータに変換できるもの、と考えられるのです。その人間の最大の問題は、聖書の神が、「わたしは妬むものである」と語っているように、妬み深いという性格にあり、そのマイナスの特性を、人生の中で、くり返し体験し、落ちていくところにある闇を知ることでしか、人生、または自分の生まれた理由を発見できないところにあります。「苦しみ」からの解放が、神たる存在の最大のテーマであると、人間という容器の中で、ミクロな神的意識体が発見することが、現行人類の存在の目的だったといってもいいのです。歴史的に、このことに、はじめて気付いたのが、後にブッダと呼ばれるようになるインドのシャカ族の王子です。その人間であるシャカ族の王子に、インドの神々は、知っていることを教えるよう頼み、仏教というものが始まります。その出発点があるので、仏典には、人知の到達点だけでなく、過去の神知も含まれています。そして、その知の領域では、意識というものの重要性が、伝承されていたのです。

(つづく…)

二千二十二年 十一月四日 積哲夫 記