第一章 試練は、学び、ということについて
その六)教育の因果
この日本国は、敗戦後、公職追放ということをGHQの命令で実行して、良心的な公務員や学者を、公の仕事から追い出しました。さらに、戦前には普通の書物であった出版物まで、この世から消すという、焚書も実行しました。それによって、ある特定のイデオロギーを持った人間が、日本国の官界と学界を牛耳ることになりました。日本人が、日本人の位置を不当に落としめるような、言論をしなければ、進歩的といわれない風潮も、そうした敗戦国の気分の中で強まって行きました。それが、敗戦後世代の学校教育の基本にあったとってもいいのです。戦前の日本が、何故、アメリカやヨーロッパに対抗できるような文化圏を短期的に生み出せたかの研究を、アメリカは研究済みで、日本人がその優れた資質を開花させないような教育の制度と、内容を押し付けることをした結果が、いまの日本国の停滞の原因となっている団塊の世代の価値観なのです。その彼らの意識を、コントロールしてきたのは、大手マスコミで、テレビと新聞しか見ない人間が、いまの日本の姿を形づくっています。このシステムは、歴史的に見れば、巨大な洗脳実験ともいえるものでした。そして、その結果として、その世代は信じ込ませることはできても、そのマイナス面が、次の世代、さらに、次の世代というように出ることを、示しました。それが、コモリやコボレの劇的増加の元にあるのです。
(つづく…)
二千二十二年 九月二日 積哲夫 記