この時代に、科学は神を再発見しているというより、ブッダと呼ばれる先人の到達点に近づきつつあるように見えます。精神学の立場では、人間の中から、ブッダと呼ばれる、神々以上の知に到った存在が現れたことで、地球的には、一神教の物語の舞台となるようなある種の契約がなされたと認識すべき、ということになります。この時系列を正しく受け入れることのできる人間の思考には、科学がブッダという個人の知を一般化したことで、科学は一神教の神を再発見し、これまで人間には理解不能だった神という存在のかたちを、人知の領域に収める可能性が生まれたかも知れないというブレークスルーポイントが浮ぶはずなのです。ここでさらに、精神学の出発点にあるのは、この宇宙にはルールがあり、精神的宇宙の情報が、物質的宇宙の情報に先立つという、物語宇宙外の存在からの伝達であるということを、この人間の思考に加えると、精神的エネルギーは、物質と時間によって構成される、人間が時空と呼ぶものをつくれるという結論に到ります。その知に人間が到達しないと、この宇宙の本当の姿を理解することができないのでしょう。これから、科学の道を歩む人間には、いまの科学の知のルーツが何なのかを知る必要が生まれます。