神を証明したいと考えた科学から生まれ、人間世界に登場した無神論は、人間由来のものだと考えられてきました。それが、精神学のこれまでの歩みの結果として、この発想は、この物語宇宙に由来するものだということが明らかになりました。物語を進行させる重要な役割を無神論は持っているということです。光と闇の対峙を、神と悪魔の対立の物語として読む人知では、この問題を理解することも、感知することもできませんが、神も悪魔も、ある種の意識エネルギー体であることを知った人間なら、神由来の悪魔と人間由来の悪魔の特性の違いがわかります。この人間由来の悪魔の方が、神由来の悪魔よりも、はるかに邪悪なのです。この質の差がわからないと、近現代のソ連や中国の共産党の方が、過去の宗教的な悪魔のはたらきよりも、はるかに多くの人間を殺した理由を知ることはできません。はっきりいうなら無神論というものは最強の悪魔の揺り籠なのです。この無神論宇宙というものが、いまある物語宇宙の姿です。そこでは悪魔が神のごとき力を持っているのです。その悪魔をつくり出したのは、誰なのか、それが分らなければ、この物語は前に進みません。それを知る唯一の道が精神学です。