朝鮮併合で神々にも見捨てられた。

大日本帝国憲法の基本をつくったとされる、井上毅という人物は、神話の言葉から、オオクニヌシの時代の統治がウシハクもので、アマテラスの子孫が天下ってはじめることになる統治がシラスものだというところまでは気付いたようです。ところが、当時の首相は、維新時のアラゴトを担った伊藤博文でした。革命家グループの悪事を封印するために、天皇を神聖にして不可侵なものにしてしまったのです。シラスという言葉は、文字通り、知らす、です。それは、アマテラスの国づくりの指針を、否定するような憲法の時代のはじまりを意味します。この長州人脈の首相のひとりであった、桂太郎が首相の時に、明治帝までが反対していた、朝鮮併合が実行されます。白村江の敗北があって、天武の壬申の乱があったことの歴史的意味が忘れられました。秀吉の朝鮮出兵があったという歴史的事実はありますが、朝鮮半島へ出兵した日本の大名は、戦いには負けていないのに、朝鮮の地を領地にしたいという熱意のないまま、秀吉の死後、すぐに日本列島に帰っています。明治の日本は、清国につき、ロシアにつき、最後に日本にすり寄った半島国家の歴史を学ぶことなく、ある種の善意でそれを実行したのです。記紀の成立以来、鎖国を国がらとしてきた日本の神々はそれで政府を見捨てます。