人間の精神活動というものは、言葉として知ったことで、自分なりの宇宙観を作り、その中で生きて、死ぬというものなのです。ですから、インドの生まれ変わりと階級制の知識しか言葉で与えられていない人間は、死んで次に生まれる時には、バラモンになりたいと願って自然なのです。かつての地球上には、そうした人間霊を宗教的ピラミッドの中に収容する、あの世という場が存在していましたが、ある意志によって、そのピラミッドも消え、人間霊界は生きている人間界に移りました。あの世がこの世と重なっているために、生きている人間の小宇宙に、人間霊界のデータが流入しています。人間の小宇宙は、かつてのように、ひとりの人間のものではなく、人間は霊体の容器となりつつあります。それが、精神学が伝えしている、人間は、自らの小宇宙の救世主にならなければならない、という情報の根拠です。救世主が出現して、多くの人間を救うというストーリーは、ひとりひとりの小宇宙の中で、現実化されるのです。それが、キリストを待ち望んでいる人間の内側で、イエスが天使の軍団を率いているヴィジョンとして現われることになってもいいのです。小宇宙という境界の外につながらないと、そうした体験も起きないからです。