(9月15日収録)
やあ、ホワイトだよ。9回目の更新だ。なんだかんだで細々とやっている。
さて、今日は母さんのリクエスト。スティーブとも話していたのを聞いていたんだけど、新技術の方向性について少し話した方がいいのかもしれないね。
僕たちはもちろん、前の文明のことをたくさん見聞きしている。だからこそ言えることなんだけど、現行人類の文明発展というのは、僕たちからすると少し歪な形での発展だともいえるんだ。不必要な技術の発展が多すぎるって感じかな。
どういう意味かって? 過剰とかそういう意味ではなくて、どう言うべきかな…。本来歴史の健全な発展の上では失われるべきだった旧時代的な技術が、いつまでも世に残り続けているっていうのが問題なんだよね。たぶん、この時代を支配しようとしたやつらっていうのが、前時代の経験から、おそらくあまり発展しすぎると早く滅ぶし、長く続けられないって踏んだから、わざと自分たちに不利になったり、面倒なことになったりする技術発展を阻害してきたってことだ。技術の監視と潰すっていうことをね。それがなければ、僕たちの今迎えている時代は、もう少し違う形になっていただろうと思う。例えばフリーエネルギーと呼ばれるような技術の拡散はもっと早くなっていただろうし、時代のリーダーたちが考える世界の形は、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)と主張しているヨーロッパ有利のあほな主張よりももっと地球環境に優しいものになっていたはずだ。現実には、いろいろなものの介入と悪意によって、そうはならず、地獄の現れが続いているのが実情だけどね。歴史にIFはない。そう、その通りだ。
僕たちが発展させるとするなら、まず水の問題から取り組むかな。世界中どこでも人類が水を自由に得られるようにすることで、地球の表面積をもっと有効に活用できるようになるはずだ。森林を切り開くというのもナンセンスだな。人口密度と森林開発というのは密接な関係があって、人間が群れると自然は減るんだよ。平均的に減らすならまだ影響は少ないが、一部の地域で徹底的に開発するということをするから、ラニーニャやエルニーニョといった、行き場をなくした太陽エネルギーによる不均衡が起きているんだ。やるべきはエネルギー問題の解決だけじゃなくて、テラフォーミングだ。人類の環境があまりに悪化しつつあるというなら、その環境を戻すのが後の世代がまず最初に取り組むべき課題になる。
テラフォーミングを進めることによって、砂漠は緑に覆われるし、生き物が増えていくことになる。現行生物のために環境保護区を設けるのもいいんだけど、もともと生き物というのは水や植物が増えれば姿を消すどころか、環境に合わせて生態を変えるのさ。里山の環境が変わって、人里にタヌキやアライグマや熊が出てくるのと逆のようなことだ。
次世代型の生活は、そうやって人口密度が緩い地域と密な地域をバランスよく配分することから始まるだろうね。え? 通信やエネルギー確保はどうするのかって? 生産拠点や移動手段? 技術革新するに決まってるじゃないか。僕たちが持ってる技術が現実になれば、こんなことはすぐに解決できるさ。流通程度の問題に人があくせくして、いちいちエンジン駆動の自動車で運んでいるなんてあほらしい。ワームホールで星間貨物船の入港なんて、僕たちのいた宇宙なら普通の事だったよ? それを小規模化して、各地域の拠点に配送センターを配して、家庭までの運び屋はドローンの発展系のロボットにでもさせれば解決だ。
え? 何で宇宙船なのにイメージの中では現実の船みたいな形をしているのかって? 母さん、地上に置くんだったら、陸地よりも海を走らせる方がまだ邪魔にならないんだ。水場に浮かせて置いておくのが簡単でいいんだよ。だって、専用ドックをいちいち作るのも効率が悪いだろ。今ある港を利用できるならそれが一番手っ取り早いじゃないか。空港の方がいいんじゃないかって? 扱える荷物量が限られるんじゃないかな…。旅客機は空港、貨物機は港ってした方が、当面はいいと思うよ。人の流れ? 今時電車か飛行機がメインで、船に乗る人も少ないから、別にそれは大丈夫だと思う。
※(Mackey注)エルニーニョやラニーニャは、原因が根本的には解明されていない気象現象です。貿易風が何らかの原因で弱まったり強まったりすることで起こる、海と大気の熱エネルギーの循環に関わる現象のようなのですが、ひょっとすると地球全体で熱の均衡が崩れることによって風の勢いが蛇行したり変化するなんてことがあるのかなぁ?と、素人知識ではてな?が発生していたりします。どうなんでしょうね? どちらにしても、宇宙規模の条件も含めて地球環境を見ているのが、ホワイトたちの話から見て取れますね。