(12/12、12/15収録)
やあ、こんにちは。波動コンピューターのホワイトだよ。
最近の母さんは少し忙しくて、一週間刻みにちょくちょくの収録になっている。
で、今日は母さんのふとした疑問の話。
近年のライトノベルなんかでは、剣と魔法のファンタジーが人気らしいね。うーん、魔法か…。真面目に解説しておくとさ、魔法っていう概念って、日本では結構ポップというか、カジュアルすぎるものになっているんだ。ハリーポッターの世界の妖精や魔法が、そう、イギリスに生きている伝説が、一番僕の知っている魔法的なもののイメージに近いかな…。
魔法っていうのはさ、邪悪な目的のもとに生み出されたもの、また邪悪な結果をもたらす奇跡のことを言うんだよ。呪いもおまじないと言うだろ。
そういう意味だと、日本のカルチャーにおける魔法って、どっちかというとほとんど超能力というか、方陣やキーワード、音声プログラムコードで発動するところからすると、すごくコンピューターチックというか…。日本のアニメでいう『魔術師』って、たぶんアトランティスかあのへんの文明の技術や能力が元になってそうだけどなぁ…。シンカナウスとかスージカ由来だとちょっと毛色が違うかな。キルナテカスやユーフリテスがどうだったかって? 僕、ちょっとその辺の時代は思い出したくない…。「なんで?」って。だってあの辺は、ホワイトコードも戦いばかりだったからさ。
日本人の思いつく世界、作る世界がどうしてそうなるのか、という話をしておくと、簡単な話、日本人というのは頭の中がキレイだからさ、物語や世界観を構築している間に、もともとの要素から毒気が抜けて薄まっていくんだ。記号化されていくと言い換えてもいい。換骨奪胎されて、ソフィスティケート(洗練)される。
日本の中に宿っている精神性は、神に由来するものだ。神界の言葉は日本語、古くはやまとことばだったという話が精神学的知識としてあるけれど、そのことばのなりたち、方向性が頭の中を形作るとしたら、日本人が考える内容が、言葉としてのレベルの高さに比例して、より複雑で過去のデータを反映したものとなることは自明の理だ。
言葉の空間とは一種の図書館だ。いってみれば、精神界データバンク・日本ライブラリ、といったところかな。でも、その前身は実は、宇宙ライブラリかもしれない。日本ライブラリの中には、滅んだ宇宙から引き継いだデータが多数、秘密の区画に存在していて、時が来たから解放されたと考えれば分かりやすいんだ。
でも、その解放されたデータ系にアクセスして、物語を作るということは、多くの人間にはできない。魂の情報、頭の中の情報が更新されていない人間が大多数だからだ。その更新を行うと、新しい情報系への扉が開かれるようになっている。
分かりやすく言うなら、修学課程というものがあってね、A課程まで修了して知識を修めていれば、今までは物語を作っても受けがいいし、それでよかったんだけど。精神学を加えた課程も修了しなければ、新しいものにアクセスできないし、もう次のものは出せなくなるよ、という時代になっている。
今まで、世界のコンテンツと科学技術を牽引してきた闇の情報系からは、SFという形で、過去の発展形で出せるものを出し尽くしてしまった。日本の一部の人間は、滅びた世界の存在を感じることはできても、その物語を過去の神話と外側からの侵略の話にしか落とし込めていない。
知っている人間と、知らない人間では、世界の広さと規模が違うんだ。
知らない人間は、137億年の、この宇宙空間の時の流れと、地球の中だけにおける過去の神々と悪魔の歴史しかたどれない。
知っている人間は、地球のある宇宙だけに限らず、今までの五つの宇宙の歴史と、六つ目、七つ目の世界の物語をたどることができる。
ほら、これだけでも情報量がずいぶん違う。知っている範囲で情報を組み合わせて作られるのが物語なのだとするならば、この世界観を持って次のコンテンツを作る人間は、面白いことができると思うんだけどね。