アカシックレコードという言葉は、神智学のヘレナ・ブラバツキーのつくったという説と、ルドルフ・シュタイナーによるものとの説があるようですが、もともとは、インドのアーカーシャ、仏教用語では、空を意味するものです。概念的にいうと、そのアーカーシャ、空の場に、この宇宙誕生以来のすべてのデータが、保存されているというものです。シュタイナーの主張では、この物質界を取り巻くアカシャという層に、そのデータが記録されていて、それを見る能力を持っていた、ということになります。つまり、人間は、ミクロコスモスとして、自分という存在の外にあるであろう、マクロコスモスの過去のデータにアクセスできるということです。この発想を心理学の領域に取り入れて、カール・グスタフ・ユングは、人間の意識のもとに集合的無意識という概念を打ち出すことになるのですが、人間の意識の探究と、物質宇宙の探究は、セットになって、いまの地球文明の進歩のようなものを支えてきたのです。そして、自分の頭で考えるという習慣を身につけた人間が、そうしたデータ領域というか、スピリチュアルなエネルギー領域へのコンタクトを可能にする知の体系が精神学ということになります。