人間は小宇宙、ミクロコスモスといわれます。精神学は、その人間という小宇宙の内側の旅をする道案内をするための地図と、その地図の読み方を提供しています。それは同時に、その外側にある物質宇宙、マクロコスモスへの知の旅をする道案内にもなるという、ひとつの学びの体系です。簡単に解説すると、人間は外側の宇宙を内側の宇宙に映すために、心という鏡を持ち、その心というものが映したい時代の宇宙を、内側に再構成するという存在なのです。つまり、人間は、この宇宙が生まれた時から、この宇宙の内側に閉ざされることになった、神や神々、さまざまな霊的存在を、その内側にも住まわせていることになります。その人間の小宇宙のなかに、手を突っ込んで、その中の存在を外に引きずり出すことは基本的にできません。ある種の能力者なら、ある種のパワーを使って、一時的に、どこかに移すことはできますが、その小宇宙の主人公が意識して光を当てて、処理しなければ、またすぐに戻ってきます。そのことが示しているのは、小宇宙の救世主というものは外部にはいないということです。人間のたましいというものは、ひとりひとりのものですが、そこに光が宿り、神性を覚醒させない限り、何も起きないのです。それでほとんどの人間のたましいは、何のためにあるのかを考えてみてください。そこには、この宇宙のカルマを、人間に背負わすためという答えが残ります。